40Kg近く減らして10キロ体重が戻る男

あれ? このカテゴリで過去の減量の記録を書くつもりだったのに、なんで現時点での減量について書き始めるんだろう?

糖尿病が発覚して必死こいて体重を減らした結果、115Kgあったのが最盛期で78Kg前後まで減って、半年くらいはそのくらいの体重で維持していたのが、ここに来て…

  1. ストレスで何となく食べる量が増え始め、
  2. 自己嫌悪でさらにストレスがたまり、
  3. 一気に食べる量が増え、
  4. その後惰性で食べる量が増えたまま過ごす

という悪循環に陥り、約1ヶ月半くらいで10Kg近く(90Kg前後まで)体重が戻ってしまった。

ひとまず久々に食事内容とカロリーのメモ取りを再開しようとしても何故か今回は長続きせず、病院の管理栄養士さん(美人)のアドバイスをもらいながら野菜中心の食生活に切り替えてみるものの、たまにはハメを外してもいいぢゃないかと思って酒に手を出す上に、
「酒を飲む→つまみを食べたくなる→夜中のコンビニに走ってつまみを買いまくる→マズー」
という悪循環を招いてしまっている。


そういう悪循環、というか習慣が出来てしまったことから、これは体質の問題とか意志の問題ではなく「習慣」とか「意識」の問題であって、惰性でついてしまった「よからぬ結果をもたらす習慣」を「いい結果をもたらし、今後も継続可能な習慣」に切り替えてしまえば体重の維持も含めてうまくいくんじゃないかと思った次第。
そういうときに、ちょうど自分の目的に合致した本を見つけてしまうのは偶然なのか必然なのか。

食べるダイエット

食べるダイエット

「食べるダイエット」というのは元々「Diet」という単語が「食物」とかそういう意味であることを考えるとおかしい*1
それはさておき、この本の趣旨は「何を食べるかではなく、どう食べるか」というもの。その食べ方も特殊なものではなく、「何を食べてもいいが、空腹になった時に、一口一口をかみしめるように食べて、おなかいっぱいになったと思ったら食べるのを止める」という方法。
多分この本のポイントは「何を食べてもいいが」というところだと思う。今主流の減量法だと「特定の食物を摂取する(もしくは摂取しない)*2」「摂取するカロリーの上限を決める」ことがメインなことが多いだけに、意外だし斬新にも見える。でも結局は科学的か経験的に効果のはっきりした、まっとうな方法ではある。

「食べ物が口の中にある時間を長くすると満足感を得られる」というのは自分も減量を始めた時に気付いて多少は実践してたことではあるんだが、自分の場合「ひとまず体重が減りさえすれば、後は何とかなる」と思ってた故、それが徹底されてたとは言い難い。体重が減った後のことを考えるのが(体的にも精神的にも)一番大事だというのにそのときは気付いてなかったのだ。だからこそ、リバウンドを繰り返さないために、もう一度基礎からやり直し!的にゆっくり食べる方法を実践したいと思う。


この本の難点?を挙げるとすると、なんというかものすごくうさんくさいところがあるのだ。自分も「やべえぜ、やべえぜぇー!怪しい臭いがプンプンするぜぇ!」とか思ったくらい。何せ書いてる人が催眠術師で、あまつさえ自己啓発系の本をちょこちょこと書いてる人*3だし、本をめくると数ページごとに「「実践して成功した人の喜びの声」があったり、「私はこのように実践してこう変わった!」的なコラムが数ページ書いてあったりする。本自体は1300円(後述するがこれまた微妙に怪しいCDつき)だし特に別のものを買ったりセミナーに参加しないと成功しないというものではないが、それでも内容的には懐疑的な考え方をする人には間違いなく受け入れがたい部分がある。
ただ個人的には、減量というのは少なからず自己啓発的な側面も持ち合わせるものではないかと思ったりもする。やせるという変化自体に心を変える能力はあるが、それだけだと自分みたいにリバウンドしてしまうので、恐らく大切なのはやせた体に対応した心や習慣ではないかと考えるところはある。

著者的にはこの本のターゲットを「ただでさえ太った自分に対して否定的なイメージしか抱いてないのに、リバウンドを繰り返してそのたびにさらに自己嫌悪に陥り食べる量が増える」人(それなんて俺)と想定しているため、繰り返し「失敗の原因は今までとった方法であってあなた自身ではない」とか「今の自分をすばらしいと思うこと」とかそんな感じのメッセージが繰り返し出てくるし、「やせて健康的になった自分をイメージすること」が重要だったりもする。個人的にもやっぱり鼻につくところがあるが、(過剰でなければ)自分に対して肯定的であるのがいいことではあるし、やせられない理由がそういうところであれば、無理からぬ事ではある。

ちなみにこの本には前述したようにCDがついてくるんだが、この本で推奨されている事を精神的にたたき込む(?)ような暗示を30分にわたってかけられるというという内容。コレも意識して一日一回くらい聴くようにしてるんだが、指定された方法(リラックスできる環境で聴く、出来れば目を閉じる)で聴いてると何故か体が意識もしてない方向にねじ曲がりそうになる感覚に襲われることがしばしば。途中で左右から全く違うセリフが聞こえてきたりするので音響的に何らかの仕掛けがしてあるのかも知れんが、よく分からない。
この本を買って3〜4日は経ってるが、現時点では本とCDを併用してなにか明確に変わったという感じはしない。ただ、かなりゆっくりものを食べることによって「こんな量しか食ってないのに何でこんなに腹一杯になるんだ?」と思うことがあったり、CDを聴いた後に顕著なんだが自己の捉え方がそこはかとなく変わったり「無心」になったりすることがあったりする。なんというか以前よりも自分を相対化しやすくなったり、必要以上に悩んだりしなくなったような気がする。飽くまで「気がする」レベルだけれども。


この本について書きたいことはまだいくつかあるけれど、次回以降に(←と書くと必ず書かない罠。って何度目だその「そう書くと絶対やらない」ネタ)。経過報告は数日ごとに書きたいと思うけれども何せ「体重は結構誤差があるのであまり体重計は使うな。むしろ2週間くらいは乗るな」というスタンスの本なので、実感したことくらいしか書きようがないのがいかんともしがたい。

*1:ちなみに原題は「I Can Make You Thin」。直訳すると「私ならあなたをヤセさせられる」というミもフタもないタイトル

*2:そういや最近のダイエット法って妙に「炭水化物を抜く」方向に行ってるけど、やっぱりアトキンスダイエットの影響なのか。糖尿の自分から見ても、血糖値が上がりやすいわけでもないにもかかわらず炭水化物を抜くというのはヘンなような気がする。もっとも腹持ちを考えるのであれば糖質よりもほかの割合を増やしたり、糖質の摂取方法を変えてみる(たとえば血糖値の比較的上がりにくい玄米や雑穀を食べる)というのはアリだと思うが。炭水化物を抜くのは恐らくアトキンスダイエットと同じく意図的にケトーシス(血糖が足りてない時には体が脂肪を分解してエネルギー源とするため、それに伴い体の中に「ケトン体」という成分が増える。そのような状態をケトーシスという。糖尿とかの具合が悪くなるとこうなるらしい)を引き起こす為だと思うが、どうして昨今のダイエットはこうもケトーシスをありがたがるのか謎。個人的には減量の原則は「消費カロリーが摂取カロリーを下回ること」しか無く、そのほかの理屈やらカラクリはあっても無くても殆ど同じだと思うんだが

*3:しかも訳者のほかの訳書もそういう系統やスピリチュアル系(笑)が多そう