低血糖になりやすい話について高血糖になりやすい人間が考える。そして減量のことについても

20年来のつらさがほぼ消えたことについて
はてブの注目エントリで上がってきてたネタなんだが、低血糖症状のことだったというのを下記のエントリを見て初めて知った。
低血糖を呈している人の経験談を、そのまま鵜呑みにしていいの? - シロクマの屑籠


さて、自分が糖尿病(いわゆるII型糖尿病)であると診断されてそろそろ1年になる。これは減量の話とも絡んでくるので後日詳しく触れることになると思うんだが、何となく元記事を見て思うところがあったので、ちょこちょこと書いてみる。思うところ、というよりも、自分ではよく分からない部分、なのかも知れない。

持続する低血糖について、何か言おうとして何も言えない糖尿病のオレ

記事を要約すると、ずっと無気力で疲れやすく抑鬱気味だったのが、全粒穀物とか主体のいわゆる「低GI食物」に切り替えたところ驚くほどに心身の調子がよくなった、お試しアレ! というような内容である。
後で血糖値が50mg/dlなんていう低血糖っぷりが判明しているのに、なんで医者に行かなかったんだろう? と思ってしまったんだけれども、自覚症状がありながらもなかなかそれが糖尿と結びつかなかった1年前の自分と比べると似たようなモノなのかも、と思ってしまった。


自分は本格的にぶっ倒れるような低血糖にはなったことはないが、それらしい状態には幾度かなったことがある。あまりに腹が減りすぎると膝に力が入らなくなったり、微妙に震えが来たように感じたり、ちょっとした恐怖感を感じたり。そうなるのも怖いしそれ以上いってぶっ倒れるのも困るので、ある時期からとりあえず飴を携行するようにはしている。
低血糖といっても自分の場合それらしき症状という程度だし、そもそも反応性/無反応性低血糖の症状と、糖尿の人の低血糖(血糖値のある程度高い人や、うちのお袋みたく血糖降下薬を使ってる人がなる低血糖)で出てくる症状とは微妙に違うような気がする。だから

ただ、ある程度血糖値を上げないのも、ある程度下げないのも、方法論としては似ているだろうし、食生活としても同じような落としどころになってるような気はする。個人的にも全粒穀物は(その手間を顧みなければ)かなりお勧めしたいものだったりもする。
それでも、はてブやシロクマさんの記事にあるとおり、あくまで同じく反応性/無反応性低血糖の症状が出ている人向けにはいいのかも知れないが、すべての抑鬱・無気力症状のある人に勧められる訳ではない。元記事の人は自己判断でやってビンゴだったけれども、上記の理由から、やっぱり病院でそういう低血糖が出て、食事に関する指導があった上でやるのがベスト、というかそうでないとやや危ないところもあるんじゃないかと思う。


でもそれ以上に気になるのが、「反応性低血糖症」や「無反応性低血糖症」でググってみると、結構怪しいサイトが結構な数出てくるところだったりする。「糖尿」でググってもそれなりに怪しいサイトは出てくる(ただし不思議と「糖尿病」では少なくなる)が、それとはまた違う性質のサイトが多い。なんというか、「免疫療法」でググったときみたいな、「あからさまに怪しいとは言えないが、どうもうさんくさい」「利点美点ばかりを挙げるためかえって信用おけない」情報が結構多く出てくる状況である。自分も反応性/無反応性低血糖か? と思う人々が当たるソースがそういうたぐいの情報で満たされているというのはどうなんだろう。

…つか、結局何か言おうとして何も言ってないな、オレ。

そして自分の糖尿病自覚→減量へ

ここで上記の話を踏まえて、減量絡みの記事のときにしようと思っていた話を先行して書いておこうと思う。
実は自分の減量も、糖尿病の自覚症状が出始めてからだった。その自覚症状というのは「脚の指先のしびれ」だったんだが、それは少し後回しにする。
実を言うとそのだいたい1〜2年くらい前から「のどの渇き」「多飲多尿」といった症状は出始めていたんだが、それが持続する高血糖のせいだとは全く思わず、「通常の人間よりもかなりピザだから熱くてのどが乾いているだけだろう」とか「代謝が高いから尿が多いんだろう」くらいにしか思ってなかった。ひどいときには1時間に一回はトイレに駆け込んでいた。絶えずのどが渇き、職場には2リットルのペットボトルを持ち込み、それ一本では全然間に合わないことすらあった。自宅でも夜寝ていると何度ものどの渇きとトイレのために起きるといった状態。しかもそんなときに飲んでたのが悪いことにスポーツドリンクとかコーラだったりしていたのが…今思うとゾッとする事実だったりする。


それはさておき、件の足のしびれについて。症状が出始めたのは去年の四月中だった。はじめは何となく指先がぴりぴりしはじめたくらいで、そのうち少しずつそのしびれの領域が大きくなっていったような記憶がある。歩いていても、数分正座して立ち上がったときのような軽いしびれがじずーっと継続しているような気持ち悪い感じがしていた。歩いて無かろうがしびれているし、指先の感覚は当然鈍くなる。足の親指の先で少し冷たい部分を触っていても、その冷感がはっきり感じられるまでにタイムラグがあるような具合だ。


自分は幼い頃から太っていたので、何となく「糖尿になったら終わり」という気がしていた。だから、何となく「糖尿になるとつま先の感覚がなくなる」ということだけ何かで聞いて恐怖した覚えがあった。


そう。まさしく今の自分に該当するではないか……その恐怖が久々によみがえって、とりあえずネットで調べてみたところ、やっぱりビンゴ。多飲多尿は言うまでもなく、その前後からあった「突然足がつる」とか「顔面が突然引きつる」といった症状までビンゴ。
糖尿病の自覚と、その恐怖が減量開始に結びついたのは言うまでもない。


仕事帰り、じんじんする足で駅の中の書店に向かい買ったのは、何となく興味があったあの本である。

いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)

いつまでもデブと思うなよ (新潮新書)

買った理由ははっきりしていて、「最近話題だから」*1というのと「身近に実践者がいた」からという理由からだったりする。内容としては正攻法だというのもひとつのポイントだったかも知れない。
帰りの汽車の中で(実際の減量方法とはあまり関係のない前半部分をショートカットして後半部分を)読みあさり、早速帰りには100円ショップで手頃なメモ帳を買っていた。

何かの機会で検診を受けた時、糖尿病と言われないようにしてやる。そして糖尿だと診断される前に自分から糖尿の症状から逃げ切ってやる……そのように考えていた時期がオレにもありました。結局その一ヶ月後にはどうしようもなく気になってなぜか眼科に相談し、そこから糖尿病専門医を紹介してもらいあっさりと「はい、糖尿病です」と言われたけどな!

眼科に相談したのは、糖尿病の大きな合併症のうち一つ「糖尿病網膜症」*2が怖かったため。それにいきなりどういう病院にかかればいいか分からなかったし、いきなり専門医に行ってハイ糖尿ですと言われるのもショックだというチキンさもあったためだったり。
幸いにして自分が受けた眼科が糖尿病網膜症関連で海外の有名なところに行ってたことのある先生らしく、先生としても糖尿病が気になったようですんなりと専門医を紹介してもらえた。結局その紹介してもらった病院で診察室に入って1秒もしないうちに「はい、あなたは糖尿病です!」とはっきり言われ、そこから(初めてすでに1ヶ月は経ってた)減量生活に加えて糖尿病生活、というか血糖値測定生活が始まったわけですが…

ここで低血糖の話に戻るけど

糖尿病の場合、今いろんな意味でメタボが大流行*3なので、何もしなくても検診とかで糖尿病かそうでないか調べてもらえたり、ネットで軽く調べてもそれなりに適切な情報には当たるのが幸いなのかもしれない。
でも低血糖の場合は、無気力や抑鬱の一部が低血糖によるものという理解があまりされてないのと、(それにつけ込んでるのかそうでないのか判断しにくいが)ネットを漁ってもぱっと見もっともらしいがうさんくさい情報が結構多いのがちょっとつらい?
こういう低血糖について、ちょっと来月病院に行ったときに時間があれば先生に聞いてみるかなぁと思ったり思わなかったり。

*1:ちょうど誰かが携帯用レコーディングダイエット支援ツールを公開したところで著者から「著作権侵害だからやめてくんない?」とか言われて公開停止になったりしてモメ?ていた頃だったような気がする

*2:糖尿になると末端の血管がもろくなる。そのおかげで細かい血管が多い網膜で血管が出血を起こしやすくなる。初めのうちは出血してもすぐにふさがるが、あまりにも出血が多くなるとただでさえ血管が破れやすいのに新しい血管をのばそうとして余計に出血が増える。そんな悪循環が続くとそのうち網膜が剥離して失明してしまう。自覚症状はある程度新しい血管の増殖や出血が増えないと出てこない。糖尿の合併症のうちかなり恐ろしい方に入るものだったりする

*3:思うんだがどうも個人的に「メタボ」っていう略し方が気にくわない。メタボって「メタボリックシンドローム」の略で、その「メタボリック」ってのは「代謝」って意味だから、メタボとだけ略しちゃうと「シンドローム」の部分が省略されて「代謝」って意味の部分のみの略になっちゃう。だからメタボ気味って「代謝気味」って意味わかんないことになるような気がするのね。どうも世間的に「メタボリックシンドロームのメタボリックがどういう意味の言葉なのか」が知られてないのがアレな気がする。そして自分の意見としては「代謝異常」って言わないといけないような気がする