「私の髪は長いもの」と、いわゆる「恐怖のナポリタン」について考えてみる その2:「恐怖のナポリタン」編

というわけで、ナポリタンのコピペを再掲。

ある日、私は森に迷ってしまった。
夜になりお腹も減ってきた。
そんな中、一軒のお店を見つけた。
「ここはとあるレストラン」
変な名前の店だ。
私は人気メニューの「ナポリタン」を注文する。
数分後、ナポリタンがくる。私は食べる。
……なんか変だ。しょっぱい。変にしょっぱい。頭が痛い。
私は苦情を言った。
店長:「すいません作り直します。御代も結構です。」
数分後、ナポリタンがくる。私は食べる。今度は平気みたいだ。
私は店をでる。
しばらくして、私は気づいてしまった……
ここはとあるレストラン……
人気メニューは……ナポリタン……

ちょこっと調べてみたら、英語圏のジョークが元で、「ナポリタン」*1というのが「汚い」という意味のため「こきたないと有名なレストラン」というのが正解、という説があるようだ。前掲のウミガメのスープも元は海外で考えられたものらしいのでそれらしい感じもするが、敢えて上記の問題文章から推理してみることにする。こきたないことが有名なレストランなら出た後に気付くのも妙だし。

とりあえず上記の説以外には、上記の文章が醸し出すおどろおどろしい雰囲気と、ナポリタンの赤い色、「ここはとあるレストラン」の「と」が屠殺の「屠」を思わせることから、ナポリタン=人間や動物の腹部に収まってるゴニョゴニョなのではないかとか、ナポリタンのソースがケチャップベースではなく血ではなかったのかとかという説もあるようだ。確かにそれが一番思いつきやすいオチではある。それに近いものとして宮沢賢治の「注文の多い料理店」のオマージュという考え方もあったりするようだ。
または、主人公が以前同じ場所を訪れた記憶を失っていた、という推理もあるよう。記憶を使っているところが何となく「ウミガメのスープ」に似てるようなそうでもないような。
んじゃ別の可能性はないのだろうか。とりあえず細かいパートずつに分けて考えてみることにしよう。

ある日、私は森に迷ってしまった。
夜になりお腹も減ってきた。

どこを目指して歩いていて迷ったのか、何故迷ったのかはとりあえず考えない方がいいかもしれない。ただ、Wikipediaの記事によるとナポリタンが登場したのは戦後のことらしいので、年代的には現代、古くても50年くらい前まで、ということになるだろうか。
現代の日本で森の中を迷って洋食屋に行き着くというシチュエーションは若干考えにくいような気もする。50年くらい前であればそう言うシチュエーションもあったかも知れないけれど、50〜60年代くらいで今みたいに「ふらっとレストランに入って食事をする」習慣というか概念は一般的な日本人にあったんだろうか。もしかしたら「注文の多い料理店」みたいにある程度金持ちだったりするんだろうか。「注文の多い〜」はあらすじしか知らんのでよく分からんけれども。
もしかしたら、森に迷うと言っても童話みたいに鬱そうとした森の中をさまようのではなく、車が走れるかそこまでの道幅はなくても楽に歩けるくらいで、まばらだけどある程度民家が見あたる程度の林道という可能性もある。
ここらへんは一人で考えても収拾が付かんな…

そんな中、一軒のお店を見つけた。
「ここはとあるレストラン」
変な名前の店だ。

一つ目の問題、あとでキーワードとしても出てくる「ここはとあるレストラン」という名前。
とりあえず上記に挙げた推理例のように言葉としてある程度分解して考えると、こんな風に考えられる。

  • ここ はと ある レストラン
    • 「ここ 鳩 ある レストラン」だとすれば、鳩料理専門店か? でもあとからナポリタンが人気とあるので変な感じも。ただし鳩入りのナポリタンなんてのもあるかも。食べたことのない料理であれば変な味に感じることもあるかも知れない
    • 「はと」をのばして「はーと」とすると「ここ ハート ある レストラン」。ハツとかの心臓肉専門店…って鳩専門と同じ発想に。でもハツも若干血臭く感じることがあるよなぁ。しょっぱくはないだろうけど…
  • ここは と ある レストラン
    • 例の「ここは 屠 ある レストラン」という解釈については省略
    • 「ここは」 を「ここわ」と読ませると「ココア」にちょっと似てくる。「ココア と ある レストラン」。意味通らないがな!
    • 「ここは 戸 ある レストラン」という解釈も。でも意味が分からん

…分解して考えてみてダメだった。
「ここはとあるレストラン」というは一応特定の店の名前であることになってるけれど、意図的に隠されているか、主人公が(意図せずに、それか意図的に)誤認したという可能性もある。でもただの可能性にしか過ぎない。

私は人気メニューの「ナポリタン」を注文する。
数分後、ナポリタンがくる。私は食べる。

主人公がそれを人気メニューと知ったのは、恐らく店先とかメニューとかだろう。「記憶を失った説」の観点で考えると、主人公が頼む前から気付いていた可能性というのもあるが、それを考慮せずに普通に考えると、店先かメニューで知ったんだろうということになる。そこらへんは今のところ、深く考える必要もなさそうだけれど。
にしてもナポリタンが出るのが早い。数分後という記述からすると、10分はかかってないんじゃなかろうか。ナポリタン自体はそれほど手のかからない料理ではあるものの、出るのが早すぎる。まさか店主が冷凍のナポリタンを解凍しただけなんてオチではなかろうな。獣やら人やらのゴニョゴニョをかっさばいただけなら意外に早いかも知れんが、いくらなんでもゴニョゴニョをみてスパゲティと誤認する人間は、錯乱してたり幻覚を見てない限りはないだろう。精神状態が正常である限りは


……なんか変だ。しょっぱい。変にしょっぱい。頭が痛い。

もう一つの問題。味。
「変にしょっぱい」というのと「頭が痛い」というのがポイントだと思う。「血生臭い何かを食べている」説に則ると血の味ともとれるが、自分の出した血をなめるとわかるように、血はもちろんしょっぱくもあるけれど、しょっぱいと言うよりは鉄臭い感じがする。炒めたりして熱を加えると味が変わったり煮詰まったりするので味が変わる可能性も十分あるが…
仮に血ではなくそれ以外の何かだとすると、何があり得るのか。

  • それ以外の体液
  • ただ単純に味付けを間違えた

…しょっぱい、ってだけで考えるとこのくらいしか思いつかない。
頭が痛い、ってのも大きなポイントではあるんだけれど、それが本当にナポリタンの味によるモノなのかというのも若干考えてみたい要素だったりもする。例えばナポリタン食ってるときに一撃を食らって、血混じりのスパゲティを食べてることに気付かない(二度目に食べたときには錯乱していて味も分からなくなってるとか)。

私は苦情を言った。
店長:「すいません作り直します。御代も結構です。」
数分後、ナポリタンがくる。私は食べる。今度は平気みたいだ。

店長が素直に作り直してるところが若干怪しいように感じる素直に何かを間違えたか、それとも初めに出てきたのに何らかの「いけないもの」が含まれてたのか…

私は店をでる。

二つ目のナポリタンが出てから、食べ終わり、会計を済ませ、店を出るまでの間が層だったのかがちょっと知りたい。値段が法外だったのかそれなりか安かったのか、あるいはお代は二つ目のナポリタン分も払わなくて良かったのか、とか。

しばらくして、私は気づいてしまった……
ここはとあるレストラン……
人気メニューは……ナポリタン……

で、一番問題になる一番最後に意味ありげな部分。
しばらくして、というのも若干ミソなような気がするが、類似の問題でも「しばらく考えて」から気付いたり何かあったりするので無視してもいいような気がする。

ここでキーとして再提示されているのは「ここはとあるレストラン」という店名と、「人気メニューがナポリタン」であること。主人公はそれらに関して「気付いてしまった」ことになるが、何に気付いてしまったのかを考えてみる。

  1. 「ここはとあるレストラン」に関する何らかの事柄について
  2. 人気メニューがナポリタンであることに関する何らかの事柄について
  3. 1かつ2であることについて
  4. そのナポリタンの、主にその味、あるいは材料について


ここで「血生臭い何かを食べている説」の亜種を思いついた。実は主人公のよく知っているナポリタンが通常のスパゲティのナポリタンではなく獣や人間のゴニョゴニョをかっさばいたブツで、それとは違うノーマルなスパゲティのナポリタンが出てきたんで、それに食い慣れてない主人公が逆に違和感を感じたんじゃないか、という解釈。後で出てきた平気な方は主人公が店長のゴニョゴニョをかっさばいて…と思ったんだが、それじゃ矛盾が出てくるよなぁ。

推理が中途半端になってしまったところで、翌日の日記に続く(予定)。

*1:ちなみに海外には日本のようなケチャップ炒めのスパゲティというのは存在せず、ナポリタンというと三色のアイスクリームを指すんだとか