無題

今、自分は求めている。変えることの出来ないことを受け入れる平静な心を。変えることの出来るものを変える変える勇気を。そしてそれらを見分けるための知恵を。神様をみたことのない自分は神には求めない。だとすれば、自分自身に求めなければいけない。神に縋りたい気分はやまやまなんだが、縋るべき神の姿を自分は知らない。


いきなりこんな書き出しでびっくりしたかも知れないけれど、そんなことを言いたくなるくらいびっくりしたことがあったからこんな風に書き出してみた。今さんざん酔っぱらった状態だし明日仕事なんだが、飲み直したいくらいの気分だったりする。
そのことで帰りにMちゃん*1と駅で30分くらいは話してただろうか。彼女はずっと泣いていたが。自分もなんだか泣きたい気分だった。


とりあえず、今の自分が自分らしいのからしくないのか分からないままに書いてみる。


今の自分がはじめて電話の仕事をしたのは、今からちょうど6年前のことだ。覚えてる。2003年の10月28日のこと。
仕事の無かったその頃、とりあえず今の自分にならこの仕事は出来るだろうと思って手を出してみたんだが、明らかに無謀だった。そりゃそうだ。半引きこもりの自分に、姿の見えない人間と接してなんとかできるほどのスキルなんてあるわけがない。その頃の職場は今自分がいるところよりもずっとシビアな法則で動いているところで、よっぽどのことでなければなあなあでやり過ごしたい自分はすぐさまに客からこっぴどい打撃を受けて、追い打ちをかけるように浴びせかけられる上司の厳しい言葉に心をぐしゃぐしゃに折り曲げられた。
結果、自分は半年くらいしか持たなかった。もう電話の仕事なんて死んでも願い下げだ。そう思ったくらいだった。


それから自分は仕事を転々とし、仕事をしない期間も半年くらいはあった。決して肥え太っていない親のすねを囓りながらの肩身の狭い時期だった。情けない話だが泣いたりもした。
そしてあるときやむを得ず就いた短いテレアポの仕事の上司から、仕事が終わった後に「おまえだったら発信よりも受信の方が向いてる。そっちの仕事をやりゃいいんじゃねえのか」と言われた。多分発信の仕事に向いてない、とかその程度の意味合いだったのかも知れないが、単純な自分はそれに慰められて、ついついある電話受信の仕事に応募した。
当然詳しいことは書けないが、自分はある会社が請け負っているある事業のコールセンタの仕事に就くことが出来た。ただしその仕事場は、「もう電話の仕事なんてするものか」と思うきっかけとなったコールセンタと全く同じ建物にあった。つか、それどころか同じフロアにあったわけだが。その事業自体そのコールセンタと同じクライアントが運営してたわけだからわけはない。いや、立地場所からしていやな予感はしてたんだが…
そのコールセンタは、毎日一回以上はクレームを取るハメになるんじゃないかと思うくらいの「戦場」だった。コールセンタ自体が宿命的に「人員の入れ替わりが激しい」という特性を持っていると思うんだが、そこはその典型だったんじゃないかと思う。自分が入った時には同期は自分含め6人いたはずだったんだが、気がつくと3人になり、デビューしたと思ったら2ヶ月後くらいには自分一人になっていた。
とりあえずなんとかそこの仕事で日々をしのいでいたとき、ある日「ほかの職場に派遣として言ってくれないか。今より時給はいいし、半年いてくれたらさらに時給50円アップするから」という誘いを受けることになった。条件は悪くないし、とりあえずは…


と、引き受けた自分がバカだった。泣きを見たよ、あの地獄は。まさにあれはボトムズのキリコにおけるレッドショルダー時代だよ! たとえは悪いが毎日惑星オドンでの共食いをやらされてるような気分だった! いやここで会社名も関わった人間も実名でバラしてやりたい気分は山々なんだが、それでクビにされるとたまったもんじゃないし大人げないのでやめておく。
詳しくは書きたくないし書けないし書いたところで自己療養にもなりゃしないんだが、毎週数十人派遣社員が入って毎週同じ数だけ止めていったり、仕事途中で脱走する人間が出るくらいのあの職場で自分みたいなアマちゃんが半年も生き残れたことが奇跡だった。


そんなこんなで一時期は毎晩精神崩壊を起こして深夜に自室でわめきまくるような状態になりつつも、異能生存体のごとくしぶとく生き残った自分も、さすがに半年でポッキリと折れてしまい、元の古巣に戻ることになった。
元の古巣が快く迎え入れてくれたかどうかは自分では判断つきかねるが、戻って2ヶ月くらいの間(その間は電話を取らずに事務的な仕事をさせられていた)は特に何もなく過ぎた。でもなんとなくもてあまされて別の仕事場に出向?させられてた時に、因縁深い部署へ行くことになってしまった。はじめに夢破れたあのコールセンタ…ではないが、それに限りなく近い部署に行くことになってしまった。
はじめは戦々恐々としていたが、でも徐々に仲間が出来たり仕事のカンを取り戻したりでそれなりにうまくはいっていたが…が、変化は何の前触れもなくやってくる。何を思ったか、自分が初めて電話の仕事をやって挫折したあのコールセンタの仕事をやることになってしまった。


これはきっと何かの因縁だなぁ…と思いつつ、半分渋々受け入れた自分だった。ちなみにそのとき待っていた?のはその頃の同期二名(当時はヒラで、現在は自分の上司になっている)だったりした。まさか数年の時を経てまた同じ仕事場で働くことになろうとは。
とりあえず前同じ仕事をやってたことでアドバンテージはあったが、もちろんコールセンタの仕事は一筋縄ではいかない。いろんな壁がありましたとも。効率の壁だとか、効率の壁だったりとか、それとか効率の(ry
自分と(元)同期だった彼らとは違って重要な仕事を任されるほどにはならなかったけれど、それなりの、あくまでそれなりのポジションで働かせてもらっていた。ヒラではあるけれど、時々後輩の指導係を任せてもらったり、ほかの受電係の指導にあたったりとか程度の仕事をときどきもらってやってみたりとか。電話の仕事を始めてやった時には端から見て絶対に安心できないほうだったと思われてたのに今は(飽くまで中の上程度だと思うが)それなりに頼られるようになったりとか、というのが自分でもびっくりだった。


でも、変化というのは突然訪れるものだったりする。その変化というのはとりあえず今ははっきりとは言えない。言ったところで読んでる人にはよく分からないだろう。


今の仲間とこれからも会おうと思えば今日みたいに飲み会を企画すればできるだろう。仲間は大切よね(ドロッセルお嬢様風に)。でも、個人的には、それだけではないんだ。
今の仕事場に思い入れがあるかというと、よく分からない。仕事内容的には同じ仕事をしてるコールセンタなんて山とあるし、今の仕事場がほかとは違う特別なセンタというわけではない。
でも、良くも悪くも、今いるところが自分の原点ではあるんだ。今まで経験した一つ一つの仕事場すべてが、自分にとって分かちがたいものを与えてくれてはいる。某駅徒歩5分にある惑星オドン(仮称)であろうとそうだ。
ただ、やっぱり原点にはかなわない。特にその原点に期せず回帰した自分にとってはなおさらだ。
戻ってきた時に暖かく迎え入れてくれた訳ではない。でも、少なくとも拒絶はされなかった。仕事内容がすばらしいわけでも、かけてきてくれるお客様がすごくすばらしいわけではない(申し訳ないがろくでもないと思うことはちょこちょことある。でも完全に憎んだりはしないから安心して)。でも自分はどういうわけかここに来て、いろいろあった今も、ここを動きたいとは思えない。だから今でも自分はここにいる。むしろ、できるならちょっとでも長く痛いと思う。自分のアイデンティティのすべてとは言わないけれど、心を占める大きさは結構大きいんだ。やっぱり。
仲間がいる。そして仲間以外の人もいる。好きとかいやだとかそんな感情もそれぞれにある。いい日もあれば悪い日もある。それらすべてが、自分にとっては大切なんだ。
この仕事が、この仕事場が大好きだ! とは大きな声では言えない。胸を張って言えるわけでもない。でも、基本的には好いているんだと思う。好いているのとはちょっと違うかも知れないけれど、大切だとしか言いようがないのは確かだ。なぜか?って聞かれると答えに窮するけれど、多分ここが自分の原点だから、ということにはなるんじゃないか。


ひとまず、今できることを、出来る限り、しっかりと、手を抜いてもいいから気を抜かずに、時々怠けずにやり抜きたい。そう思う。後に続くもののことなんてそんなに考えないし考えるヒマはないし考えたくない。でも、すばらしくてもそうでなくても、今できる仕事、すべき仕事を自らの手でやり抜くことが、やっぱり大切だと思うんだ。


とりあえず日にちが近くなったらまた書くかもしれないけれど、今のクライアントにはこう言っておく。



ちゃんとお客様の方を向け。
おまえらがお客様の方を向いてなかったらこっちだって向くに向けねえだろ。
オレたちだけで向くことは出来るが、それだって限界があるんだ。
コストセンタからプロフィットセンタへ、なんていつかオレたちに言ってたが、それが少なくとも内部の人間から白々しく見えない程度にはお客様の方を向け。あくまで少なくともだ。
いいか、おまえらの仕事はお客様がいなかったらほんのこれっぽっちも成り立たねえんだぞ。
なにより、お客様の方を向かずにやる客商売なんて、寂しいじゃねえか。
お客様の方を向いた方が損する客商売なんて、やるせないじゃねえか。


さて、呑み直すか(今からか!)

*1:いつもの「つぶつぶ氏」のことだが、この件に関してはあまりこのアレな呼び方では呼びたくない