「i.softbank.jpメアドをPCから使うと一生使えなくなる」問題について、某サポセンの中の人の個人的な観点から見てみる

まずはじめに言っときますが、自分は少なくともソフトバンクモバイルiPhoneのサポセンの中の人ではありませんしそれらのサポセンでの受電経験もありません。かといって現在の勤務先がどこのサポセンどういうサポセンかとかも言えません(はいはい守秘義務守秘義務)。とりあえず、日々お客様からのお問い合わせに対して受け答えをし、時にはクレームであたふたしたり困った時には上の人にすがったりする一介のオペレータでしかありません。
しかもiPhoneソフトバンクモバイルの携帯も使ったことはありませんのでよく分からん部分もあります。それを重々承知の上でお読み下さい。


i.softbank.jpが使えなくなってサポートに相談したらもう一生受信できない状態になりますねといわれた(解決) - だらだらぶろg DaDaDa!
概要は次の通り。

  1. 突然iPhone用のメール(i.softbank.jp)が使えなくなった(ユーザ名やパスが通らなくなった)
  2. ただし自分のユーザ名やPWを使ってメアドやパスは変更可能(=少なくともPWなどに間違いはない)ので変更して再設定したが同じだった
  3. 自分のiPhone用メアドにメールを送るとメアドが無効として戻ってくる(550 Invalid recipient)
  4. 当事者の方はサーバ側の問題かと思いiPhoneのサポセンに問い合わせる
  5. するとパスワードの初期化とメールの再設定を案内されたので行ってみたが、改善されず
  6. 再度問い合わせるも、再設定や本体初期化の案内に終始される
  7. そこで当事者の方「サーバの段階でエラーが返ってきてしまうんだから、IMAPサーバ側の問題ですよね?iPhoneやPC側の接続設定は関係ないのでは?」→「(5分後)PCからi.softbank.jpへのIMAPアクセスはSoftbankサポート外の動作なので、一切サポートを受けることができなくなります」
  8. 「そんなことはSB側から説明があったか」という質問に関しては、そのような説明や記載はないとの案内。
  9. こちら「書かれていなくても、サポート外のPC接続を行ったから、もうメールは使えない状態になり続けてしまうのですか?」→サポート「それがソフトバンクモバイルとしての見解です」
  10. 同時に、SB側から検証用のメールを客側に送ったり、サーバに問題があるかは一切確認できないという案内
  11. 「法務的な話ができる部署はありますか?」→「ありません」と言われる。今の時点ではここまで。


いかんせん当事者の方からの情報しかないし、この辺の事情についても知ってるわけではないので推測の部分が自ずと多くなるのだが、サポセン勤めとしては以下のところが見るべきポイントになると思う。

まずは…

オペレータの対応は適切だったのか

これについては、現状当事者の方の文章のみで実際の対応内容が音声で聞ける訳ではないし、このオペレータの(技術面、コミュニケーション面両方の)スキルが高いのか低いかについてもやっぱり判断は出来ない。

お客様がとことん納得できないことはいくらスキルの高いオペレータであっても納得させられないケースが大多数ではある。特に今回当事者の方が不満に思っているのはソフトバンクモバイルの見解として伝えられた部分のよう。ちなみに途中二回五分間の保留を置いているようだが、飽くまで個人的にではあるが、質問内容が複雑だったりややイレギュラーなものであれば5分間の保留というのは十分にあり得る(ちょっと長すぎるきらいもあるが)。

後の部分はSBの対応としてどうだったのかというところと絡んでくるところもあるので、折に触れて。

ソフトバンクとしての対応は適切だったのか

まずはパスワードの初期化を行った上での設定の仕直しは、とりあえず必要になるとは思う。その後再度問い合わせた時にも再度設定を行っている為、

「メールを送っても返ってきてしまう状態です」と伝えても、アカウントを初期化してくださいやらネットワーク設定を初期化してくださいやらiPhone本体側の初期化指示ばかりでまったく的をえていない対応をされました。

とあるけれど、コレも飽くまで念のためだがやっといた方がいいような気がする。精密機械はどういう振る舞いをするのかよく分からん部分があったりするので、電源の入れ直しとか初期化はやってしかるべきと思う。ただし当事者の人もわかってそうな人なのでちょっと蛇足っぽい感じがしないでもない。


そして、

「PCからi.softbank.jpへのIMAPアクセスはSoftbankサポート外の動作なので、一切サポートを受けることができなくなります」

という部分。
PCから本来携帯電話側から行うアカウントに対してアクセスするのはサポート対象外であることは理解できるが、それをもって一切SB側でサポートを受けられなくなるというのは(自称中級者の自分としても)おかしいと思う
ただし、対応したオペレータが言いまつがったか相談した上司からの指示を聞きまつがったかして、「PC側からのアクセスについてはサポート対象外のため分からない」というのを上記のように言ってしまった可能性も無いわけではない。もし聞き間違いや言い間違いであったとすれば、その直後に「それがソフトバンクモバイルとしての見解です」と言い切ってしまっているのでオペレータとしては「ないわー」と思う。
あるいはSB側でPC側のIMAPアクセスに対して規制をかけるかペナルティをかけている可能性もあるが、であればその旨をはっきり伝えるのが通常の対応だろうと思う。だいいちSB側でもその旨のアナウンスはない(しかもオペレータからも「その旨の記載はない」と否定されている)し、似たような事象もほかにはなさそうだし、それは考えにくい。

こちら「周りの人が自分宛にメールを送るとエラーで返ってきてしまう状態なのですが、Softbank側でIMAPサーバの状態を確認したり、自分宛へのメールを投げて検証してもらえたりすることはできますか?」

サポート「動作の検証などは一切できませんし、確認することもできません」

この部分についてはそのサポセンでどういうスタンスで対応しているかにも寄るところがあるが、個人的には、メアドもユーザ名もPWも誤りが無くPC側からもiPhone側からもアクセスが出来ずメールも戻る状態ということであればサーバ側の確認をすることくらいはやってもおかしくはないんじゃないかと思う。もし件の状態がもしサーバ側ではなく(かなり低いと思うが)iPhoneやその他の条件によるものだとしても、少なくともサーバ側に問題がないということが確認できれば、それでSB側に非はないということはある程度示せるし、ほかの可能性についても提示したり当事者の方側で探すヒントにはなるんじゃないかと思う。

こちら「(もう既に怒りを超えて疲れた状態)わかりました。とりあえず、メールサービスが使えない状態のままこのまま使い続けるのはちょっと困るので、そのあたりの法務的な話ができる部署はありますか?」

サポート「少々お待ちください」

サポート「(5分後)そのような話ができる部署はありません」

そのあたりの法務的な話が、というのが、「使えるはずのものが使えないにもかかわらず使い続けることに対して、SB側では補償とかができるのかどうなのか」という意味であれば、iPhoneの場合(とは限らんが)技術サポートとサービス窓口が異なるため、少なくとも技術サポートでは答えられない部分なのでサービス窓口側に、ということにはなるかも知れない。ただし、こういう一歩間違えば訴えられかねない微妙な部分を含む問題に対して安易に「この窓口で対応できますね」とか言ってほかの窓口を案内してしまうとその窓口でしっかり対応出来ない場合にさらに(双方ともに)痛い目にあうし、部署間の関係がマズくなる可能性もある。
そういう場合、通常の問い合わせ窓口とは別にそういう件に対して客側から電話するなりして対応出来る別の窓口が公に設けられている企業もあれば、ない企業もある。またそういう公にされている窓口がない企業の場合でも、もしもの時に現場からの依頼でクレームとか微妙な問題を含んだ件について対処できる部署は恐らくあると思う。
SBの場合も、推測ではあるが無いこともないと思う。ただし(自分の経験でしか言えないが)そういう部署に対応を依頼する場合はよっぽどのイレギュラーでないとムリなような気がする。この話からして若干イレギュラー感はあるものの、「とりあえず、メールサービスが使えない状態のままこのまま使い続けるのはちょっと困るので」程度でそういう部署は動かない可能性はある(だからといって「こういう場合はゴネて!」と言いたいわけではないですよ。マジでマジで)。
かといって、現場で「そういう話が出来る部署はない」で終わってしまうのもどうかとは思う。特別な窓口は内が、お客様からの問い合わせ全般に対しては原則お客様に公表させていただいている各種窓口で対応させていただいている、くらいのことを言うくらいは出来るんじゃないかと思う。
ていうか、その時点で5分保留しているにもかかわらずその回答というのはオペレータとしてもどうかと思う。実際に現場の上司の指示で「つっぱねて!」と言われているのであればしゃあないとは思うけど、それで5分はかからないし会社の対応としても「ないわー」と思う。
5分も保留してたんであれば上司に相談している可能性が高い(もしくは上司に相談もせずに社内資料を漁りまくった挙げ句オペレータ個人の判断で言ってしまってる可能性もあるっちゃある)けれど、「法務」とかいうキーワードが出てきたのにあまり重要と思っていなさそうな感じを受けるのはが個人的には気になる。もし相手に訴える気があっても無くても、「法務」という言葉に対しては若干敏感になる必要はある。それ以外にも「訴える」とか「消費者センタ」というキーワードは、大体のサポセンではちょっと敏感にならざるを得ないキーワードになってるような気がする。そこに敏感になれなかったのはオペレータの判断なのか上司の判断なのかは分からないが、手落ちではないかと思う。

締めを考えておきたいが、久々に長文を書いて疲れたのでここでいったん切っておく*1

*1:こう書いておくとたいていは放置して忘れ(ry